サンフランシスコ3日目はヨセミテです。あの有名なヨセミテです。アンセルアダムスの写真で有名なヨセミテです・・・と舞い上がってみるwww
今回はJTBルックでいくヨセミテ1日ツアーを2週間くらい前に予約しました。天気は野となれ山となれ・・・と。
ヨセミテはサンフランシスコから車で約3時間半くらい。1日ツアーというのは4時間かけてヨセミテバレー内に入り、1時間ほどの休憩を挟んで車で周遊コースを回って帰ってくるというものです。だから「行った」「見た」だけの観光なんですね。普通はバレー内に何泊か滞在しないとヨセミテの良さは分からないといわれます。
もちろんJTBには1泊ツアーもあります。ほぼ毎日ツアーバスを運行していて、日帰りのツアーのお客さんはずっと同じバスに乗り、現地宿泊の場合は途中で降ろされ、帰るときに、その日の日帰りツアーのバスに途中から乗るというようなシステムのようです。だから何泊の設定でも可能なのだと思われます。バレー内はシャトルバスが運行されているのでレンタカー無しでもなんとかなりますから、公園内の周遊観光が必要ない場合でもこのツアーシステムに乗っかるのは、結構よい手かもしれません。
実のところ、ヨセミテ1泊ツアーも考えたんです。ただね・・そうすると当然のことながら高い。でもって、天候の安定しない冬、その2日間が雪で視界がなかったら・・・と考えてとちょっと二の足を踏んだんです。市内観光と違って悪天候だとほとんど何も出来ない。サンフランシスコまで行ってヨセミテで雪に閉じ込められて帰ってきましたというのではコストパフォーマンスが悪過ぎてあまりにも悔やまれます・・・保険として、せめて1日は市内観光に当てるのがベター・・そう判断して日帰りにしたんです。ということで、天候が悪いことは織り込み済みだったのですが、この日は予想以上の晴天でした。到着、出発日を含めて4日間中、この日だけが晴天だったのです。
ヨセミテ観光は、5月、6月ごろがベストだとされています。夏は雨があまり降りません。夏も中盤になると名物の滝の水量が落ちて見栄えがよくなくなるようです。私もベストシーズンなら2泊か3泊したでしょう。ただ、なかなかバレーの中やバレーに近いホテルは取れないみたいですけど。
ツアーのミニバスが最寄のホテルにピックアップしに来てくれます。カールトンホテルは指定ホテルに入ってなかったので、私は歩いて5分少々のホリディーインでピックアップしてもらいました。ここで私を含め2人ピックアップ。この日のお客さんは9人。私以外はたぶん20代(かな)。アメリカ在住が少なくとも4名。カナダが1名、沖縄2名。あとの男性2人は1泊コースで途中で分かれちゃたこともあり未確認。6名以上なら黒字だとのことでした。前日は18人だったそうですが、ヨセミテは大雪で視界がほとんど無かったそうです。今朝のサンフランシスコは、昨日の雨が嘘のような雲ひとつ無い晴天です。
ガイドさんは運転も兼任でした。男性、60歳くらいなのかな。バレー内も車での周遊なので12時間以上運転しっぱなしになりますから、ガイドとの兼任はかなりの重労働だと思われます。ところがこれがまた・・・出発してからすぐ・・・喋りっぱなしなんです。
ちらりと見えたゴールデン・ゲート・ブリッジ
お客さんのピックアップを終えると、バスはサンフランシスコを出てサンフランシスコ-オークランド・ベイブリッジを呼ばれる吊橋を渡ります。左手には赤いゴールデン・ゲート・ブリッジが小さく見えました。1936年に建設されたベイブリッジは1989年の地震で一部崩壊したのだとガイド氏が解説。老朽化も著しいので、隣には新しい橋が建設中。しかし中国の建設会社が受注したので、地元では新しい橋は、現在の橋よりも危険になると言われています・・・とのこと。全然ジョークに聞こえないwww
途中休憩
サンフランシスコの町の話、カリフォルニア州についての話、そしてアメリカの文化、スポーツ事情、経済、大統領選・・・シリコンバレーが近づけばその話、モデスト(Modesto)を通るときは、ここ出身のジョージルーカスの話、日本とアメリカの違い、ジョン万次郎の話、アメリカで気をつけなければならないこと・・・などなど いやはや、話題が豊富すぎるwww。プロだなと思いました。このトークなら雪で視界の無かった前日のグループもツアーの半額分くらいは満足したのではないでしょうか。そんなオンステージ。
ガイドさんの語った注意点、豆知識をひとつふたつ紹介。
その1:アメリカでは、レストランの支払い時にチップを加えるのが普通だが、サンフランシスコのアジア系のレストランではあまりにもアジア人がチップを払わないために、サービス料込みで請求してくるところがあるので、支払い時は明細をしっかりチェックすること。
これは全然知らなかったので、ホテルに帰ってから前日に食べた日本食レストランの明細書を確認してみました。サービス料は含まれていないようにみえました、ふぅ。皆様ご注意ください。
その2:アメリカには公衆トイレが少ない。ならばもモヨオシタときにはどうするか。そういう場合は「飲食店のトイレを借りる」のだそうです。何も食べなくても良いとのこと。「飲食店はトイレだけの使用もさせなければいけない」という法律があるのだそうです。飲食店業界全体として、食べさせるのだから、出させなければならない・・・らしい。でもですよ、南部のお店では、お客さん以外のレストルームの使用は禁止。ノー・パブリック・レストルームと書かれていることが良くあるんですよね。これは一部の州の州法かもしれません。
さて、続きまして、カリフォルニア州の基礎知識。面積は423,970 km²で全米3位。最高の標高地点(ホイットニー山)と最低の地点(デスバレー)があります。意外な事に面積のおよそ40%は森林。人口は4千万人弱で全米1位。ロサンゼルス、サンフランシスコ・ベイエリアなどのアメリカでも有数の大都市圏を抱える一方、全米の野菜の70%を生産する農業州の側面も持ちます。野菜は3毛作くらいやるようです。ワインも有名ですよね。だからぶどう畑も多い、ふと横を見ると道沿いにはアーモンドの果樹園が続いてました。きっと春は花が綺麗でしょう(ももと同じような花が咲きます)。夏は天気予報が不要なほど晴天が続きますが、それに比べて冬は降水量が多い。ヨセミテを初めとしたシェラネバダ山脈の雪解け水を灌漑に使うことで農業が発展。それに対してネバダ州は水が無いので農業ができず、観光客から直接キャッシュを頂くシステムが発展した・・・と、ガイド氏(カジノのことね)。
R99をマーセド(Merced)まで、そこからR140に入ります。ヨセミテにはR140以外に2本ルートがあるようですが、冬に使えるのはこのルートだけのようです。マリポサ(Mariposa)でシャケ弁当を受取ります・・・お昼前ではありますがバレー内で弁当を食べるのは時間がもったいないので、すぐに食べてしまいました(ガイドさん推奨行動)
弁当
ヨセミテに近づけば、今度は国立公園や世界遺産に関する話が始まります。北米の国立公園、ワン・ツゥ・スリーは、ヨセミテ、イエローストーン、グランドキャニオン。 世界遺産指定のワン・ツゥ・スリーも同じですと紹介。ちなみに、ヨセミテの国立公園に指定は1890年(第1号はイエローストーン)、ユネスコの世界遺産(自然遺産)登録は1984年。
車は梓川に沿って上高地へ向かって走ります・・・・あれ、違った?
いや、ほんとうにそんな感じなんですよ。
もっとも今の時期のじゃ上高地あたりじゃ木々は落葉し、雪も積もっているのに対し、常緑樹が主体のこのヨセミテでは冬でも濃い緑・・・というのが大きく異なりますが、雰囲気は上高地です。
川や氷河によって侵食されてできた渓谷、同じ渓谷でもアリゾナやユタでは赤色の岩の山ばかりですけど、ヨセミテは緑の山。ハーフドームやエルキャピタンという岩ばかりクローズアップされるので、そのイメージが強いのですが、それはあくまで屏風岩であって、主体は「緑豊かな自然」なんですね。だから生態系の宝庫とも言われる。古くからその生態系の保護を進めてきたヨセミテですけれど、ヒグマなどは既に絶滅してしまったようです。今いる熊は、グレートスモーキーと同じクロクマ。
ヨセミテは数日いないと良さは分かりません。ガイド氏曰く、私もヨセミテに出会って人生観が変わった。それまでは自分の意思ですべてどうとでもできると思っていたが、そうではないことがわかった。結婚したら、自分の要求は50%しか実現できないことがあたりまえだということに、ようやく気がついたwww らしいです。今では妻と仲よくお茶を飲めるようになったのもヨセミテのおかげだと・・・、最初の米人妻とは1年半で別れたけど・・・だって。今の奥さんは日本人らしいです。
喋るだけではありません。あなたは、今回、「旅」でサンフランシスコに来ましたか、それとも「旅行」で来ましたかと、客に問いかけたりします。「旅行」は帰るところがある、帰るところのないのが「旅」である・・と。どこかで聞いたようなネタではありますが、自説をとうとうと語ります。あたしはむしろ具体的な場所としての明確な目標が無いのが「旅」のような気がしていますけどね。旅と呼ばれるもののほとんどは帰って来るはずで、帰ってこないのは人生という旅と、死出の旅くらいでしょう。
さて、いよいよヨセミテ国立公園に入ります。お金取られます・・・・(もちろんこれはツアー代金に含まれてますので我々は直接払いません)。バレー内は車で周遊できるのですが、もちろんこれは生態系に悪影響をもたらします。夏は大渋滞らしく、排気ガスで視界がぼんやりしちゃうくらい。ゲートの通過に40分以上かかったこともあるそうで、ツアーで予定している1時間の休憩時間が0どころかマイナスになってしまうこともあったそう。当局としても車を減らしたいという意思はあるようでシャトルバスの利用を推奨しています。そしてゲートでは「人」だけではなく、「車」に対しても入場料が徴収されます。もちろん大型車ほど高額。そんなことよりシーズン中はマイカー規制すればいいと思うんですが、どうなんでしょうか。
ブライダルベール滝
さて、ヨセミテ国立公園について、基本事項をウィキペディアでちょっとおさらい。
「ヨセミテ国立公園はシエラネバダ山脈の西山麓にあり、面積は3,080km²。 何千もの湖沼、2600kmの渓流、1,300kmのハイキング・トレイル、560kmの道路がある。年間350万人以上が訪れるが、そのほとんどが集まるのは公園全体の1パーセントにも満たないヨセミテ渓谷(約18平方キロメートル)に集中する。」
ヨセミテ滝
一方の上高地。中部山岳国立公園の面積は1,743km²。訪問客は年間1000万人以上。うち、上高地は200万人超かな。上高地の開山期間:4月末〜11月中旬であることを考慮すると混雑ぶりは似たようなものかもしれません。 渓谷の規模は上高地は幅が狭く、ちと小さい。もちろん河童橋から先は一般車通行止め。というか、シーズン中はマイカー規制でそもそも一般車は入れませんが。
エルキャピタン
もうちょっと比較。ヨセミテバレーの標高はおよそ1200m(上高地は1500m)、アンセルアダムスの写真で有名な「ハーフドーム」の標高は2,693 m(奥穂高岳は3190m)。平山ユージがノーズ・ルートの最速登攀記録を持つ「エルキャピタン」の谷床からの高さは約1000メートル。イメージが伝わったでしょうか。そもそも上高地をよく知らない人は、わけわからない喩え話ですみません。
バレー内はこの日チェーン規制でした。チェーンをしていないとパークレンジャーが飛んできます。バレー内では、トンネルビュー、ブライダルベール滝、エルキャピタン、ヨセミテ滝などを5〜10分間下車しながら観光しました。その間もガイド氏は調子の悪いチェーンをつけ直したりしていて大変です。
雪晴れのヨセミテには大満足。こんな日には狙ってもなかなか来れるものではありません。ラッキーでした。もちろん朝焼けが見られればさらによかったですけどね。そこまでは・・・ね。
有名なグレイシャーポイント(Glacier Point)への道路は冬季閉鎖なので冬には訪れることができません。バレー内をひとめぐり、ロッジで一時間弱の休憩をして、一路サンフランシスコに戻ります。途中、In-N-Out Burgerという、最近西海岸で勢力を延ばしているハンバーガー屋さんに立ち寄ってバーガーを購入、これを夕食にしました。今日はクリスマス・イブ。市内の飲食店も早仕舞いするでしょうから。
7時を過ぎ、もうすっかり夜。ベイブリッジから見えたフィナンシャル・ディストリクトの夜景がとても綺麗でした。