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明日への遺言(2008年 アスミック・エース) [映画の話]

明日への遺言を見ました。

原作は大岡昇平の長編小説『ながい旅』

東海軍管区司令官の陸軍中将、岡田資は、名古屋大空襲の際に捕らえたB29の搭乗員をハーグ条約違反の戦争犯罪人として略式命令により斬首処刑。そして戦後この行為に対し、彼はB級戦犯として横浜法廷で裁かれ、絞首刑になりました。しかし、彼はその裁判の中で、アメリカ軍による無差別爆撃の非人道的行為の違法性を主張し、徹底的に戦ったのです。彼の高潔な人柄と態度は、敵側であったアメリカ軍裁判長と検事の心も次第に揺り動かし、最終的には米軍側も「名古屋空襲は無差別爆撃であり国際法違法である」との見解を得るに至るのです。

もちろんこれは史実にもとづいた話であり、岡田中将も実在の人物です。

主演は藤田まこと(映画としては本作が遺作)
ほとんどが法廷シーンという、たぶんとっても安上がりの映画なのですが、すっかり引き込まれて見てしまいました。名古屋出身でありながら、この事件、この裁判の話も知らなかったので、知識としてそれが得られた点でも○。

冒頭で、この物語の発端である名古屋空襲の話が出てきます。
名古屋への爆撃は計38回。そのうち最大規模だったのが名古屋城も炎上した5月14日の爆撃で、B29 486機による焼夷弾爆撃・・・・486機って・・・どんなけやん!!

東京で最大だった空襲で334機ということらしいので、その1.5倍です。

いつの空襲か詳しくは聞いていませんが、私の母親は当時名古屋東区に住んでおり、空襲で死にかけたらしいです。「(家族と別れて)元ちゃんは死んだとみんな思ってたけど、おばさんと一緒に逃げて無事だった」というような話・・・でも本人からは全然空襲の話は聞いてないんですよね。葬式のときの思い出話で初めて聞いた話。本人の人格形成にも影響するような凄い経験だったのだと思います。

まっ、そんなことも思い出しながら・・・

念のため・・・・(^^; アメリカの無差別爆撃を非難してはいますが、第二次世界大戦時の日本を正当しようとする意図がある映画ではありません。主題はあくまで、岡田中将の生き様です。自分の言動に責任を持ち、嘘をつかず、主張すべきは正々堂々と主張する。戦争の話、軍隊の話ではなく、今の時代にも通じるものが十分あると思います


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